ココナッツオイルも酸化する!?美容効果を引き出す正しい保存方法
美容・健康効果があることで知られるココナッツオイル。
ココナッツオイルは酸化しにくいから長期間使えて便利とよく聞きますが、
実はまったく酸化しないわけではなく、無期限で使えるオイルというわけではありません。
できるだけココナッツオイルの酸化を防いで美容効果を引き出すには、正しい保存方法を知っておくと安心です。
今回はココナッツオイルの正しい保存方法や、酸化してしまったココナッツオイルがもたらす影響、使いきれなかったオイルの利用法などをご紹介します。
ココナッツオイルも酸化する!?
数あるオイルの中でも酸化しにくい油といえばココナッツオイル。
しかし、酸化しない油というわけではありません。
まずココナッツオイルの酸化について説明します。
ココナッツオイルが酸化しにくいのはなぜ?
ココナッツオイルをはじめ、肉の脂肪や魚の油などの脂質を構成しているのは脂肪酸です。
脂肪酸は大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられますが、ココナッツオイルは化学的に安定している飽和脂肪酸を多く含んでいます。
安定しているというのは、酸素と結合して変質することや加熱によって変質することが少ないという意味。
ココナッツオイルは安定している飽和脂肪酸を多く含むため酸化しにくいのです。
ココナッツオイルも酸化する
ココナッツオイルはほかのオイルに比べると酸化しにくいのが特徴ですが、まったく酸化しないわけではなく、ゆっくりですが確実に酸化していきます。
できるだけ酸化を防ぐには、空気に触れる時間を減らし早めに使いきること、正しく保存することが大切です。
毎日大量に使わないのであれば、なるべく内容量が少なめの商品を選ぶとよいでしょう。
またビンなどからココナッツオイルを取り出すときは必ず清潔なスプーンを使い、使用後はきっちりフタを閉めることを忘れないようにしましょう。
酸化したココナッツオイルを使うとどうなる?
酸化してしまったココナッツオイルを使うと、体にどのような影響を与えるのでしょうか。
ココナッツオイルの使用目的別に説明していきます。
美容オイルとして使う場合
酸化したココナッツオイルは肌荒れなどの肌トラブルの原因になります。
ココナッツオイルが酸化すると脂肪酸は過酸化脂質に変化するのですが、過酸化脂質は肌の細胞にダメージを与え、色素沈着やくすみ、シミなどの原因になるのです。
それだけでなく肌の弾力繊維をこわすため、ハリがなくなる、シワができるという可能性もあります。
食用オイルとして使う場合
酸化したココナッツオイルを食用オイルとして使うと、味がおかしいと感じるだけでなく、お腹の調子が悪くなる可能性があります。
ほかの食用オイルに比べると揚げ物などがカラッと仕上がり、繰り返し使っても酸化しにくいのですが、まったく酸化しないわけではありません。
また酸化が進んだココナッツオイルは毒性をもち、大量に体内に取り入れると食中毒の原因になることがあるので注意が必要です。
ココナッツオイルの保存方法
ココナッツオイルの美容・健康効果を引き出すには、正しく保存することが大切です。
ココナッツオイルの正しい保存方法と、便利な保存方法をご紹介していきます。
ココナッツオイルの正しい保存方法
ココナッツオイルは開封後も常温で保存可能です。
ただし直射日光が当たる場所や、高温多湿になる場所は避けましょう。
また開封後はカビが生えることがあります。
これはココナッツオイルが低温では固体に、高温では液体になるという性質によるもの。
カビを防ぐには冷蔵庫での保存がおすすめです。
冷蔵庫に入れると固体になりますが、気温の低い時期以外は常温に戻せば液体になりますよ。
ココナッツオイルの便利な保存方法
使いきりやすいのは小さめのビン入りタイプ。
もし大きいビンやパック容器入りの場合は、小分けして冷凍するのがおすすめです。
アイスキューブを作る製氷皿に液体のココナッツオイルを流して、凍らせるだけ!
あるいは小さなシリコン型を使って1つ1つ凍らせるのもよいでしょう。
凍ったココナッツオイルをジップロックなどに入れて冷凍保存すれば、使いたいときに適量を取り出すことができるので便利です。
酸化したココナッツオイルの特徴と捨て方
酸化したココナッツオイルは肌にも体にも悪影響を及ぼすため、酸化しているかどうかの見分け方を知っておくと安心です。
酸化してしまったココナッツオイルの特徴と捨て方を説明します。
酸化したココナッツオイルの特徴
ココナッツオイルが酸化すると、通常とは違い石油系のニオイになります。
また色が濃くなり、細かい糸を引くような粘りが出てくるのも特徴です。
調理に使った場合は、揚げ物をして出てくる泡が普段より細かく、なかなか消えないのが酸化のサイン。
このような酸化したオイルの特徴が見られたら、美容・健康効果を引き出すことはできないので、使用を控えましょう。
酸化したココナッツオイルを捨てるには
調理に使用して酸化が進んだココナッツオイルを廃棄する場合は、凝固剤で固めて捨てる、あるいは古新聞などを入れたビニール袋に入れて捨てます。
ココナッツオイルは25℃以下で固体になるため、そのままシンクに流すと排水溝や排水管内で固まってしまうのでくれぐれもご注意ください。
使いきれなかったココナッツオイルの活用法
ビンや缶に入ったココナッツオイルの賞味期限は、未開封で約2年間です。
容器サイズにもよりますが、開封したら2か月程度を目安にして使いきるとよいでしょう。
使いきれずに放置してあったものや賞味期限を過ぎたものは酸化・劣化している可能性があるため、そのまま使用することはおすすめできません。
でも色やニオイに変化が見られない場合、捨てるのはちょっともったいないですね。
そこでおすすめなのが、賞味期限を過ぎてしまったココナッツオイルを使ったせっけん作り。
ここでは簡単にできる作り方をご紹介します。
ココナッツオイルせっけんの作り方
【材料】
・市販の無添加せっけん1個(約100gのサイズ)
・ココナッツオイル10ml
・熱湯5ml
【作り方】
1.せっけんを包丁やおろし金で細かく刻む
2.耐熱性のポリ袋を二重にして、せっけんと熱湯を入れて揉む
3.ボウルなどにせっけんを移し、ココナッツオイルを加えてよく混ぜる
4.耳たぶ程度の硬さになったら牛乳パックに入れる
5.直射日光の当たらない風通しの良い場所で1~2週間乾燥させる
6.乾いたら包丁でお好みのサイズにカットし、さらに1週間ほど乾燥させる
まとめ
酸化したココナッツオイルを使うと、肌トラブルや体調不良の原因になることがあります。
酸化しているかどうかの見分け方は簡単なので、使う前に確認するとよいでしょう。 ココナッツオイルを正しく保存して、美容・健康効果を引き出してみてくださいね。