紫外線対策にはハーブがおすすめ!内側からケアするハーブの活用法
日差しが強くなるにつれて気になる紫外線。
日焼け止めや日傘、帽子などで紫外線対策をしている人も多いでしょう。
しかし、さまざまな対策をしていても日焼けをしてしまうことはありますよね。
そこでおすすめしたいのがハーブです。
普段の紫外線対策にハーブを取り入れ、体の内側と外側からしっかり紫外線対策をしていきましょう。
この記事では、ハーブを使用した紫外線対策や、紫外線を浴びてしまったあとのケアの方法についてお伝えします。
紫外線対策にハーブをおすすめする理由
紫外線対策になぜハーブがおすすめかというと、ハーブには活性酸素から体を守る「抗酸化作用」があるからです。
紫外線を浴びると、体内では活性酸素が大量に発生し、メラニン色素の増加や、肌の乾燥やたるみなど、老化を促進させてしまいます。そのため、紫外線を外からブロックすると同時に、活性酸素を増やさない対策が必要となります。
植物も人と同じく活性酸素は大敵ですが、光合成が必要なので紫外線を避けることはできません。
そのため、自ら抗酸化作用のある成分を作り出し、生き延びています。
なかでもハーブとして利用される植物は、その抗酸化力の高さから、防腐剤や酸化防止剤として古くから使われてきました。
ハーブのもつ抗酸化作用が紫外線によって増えすぎた活性酸素を抑えることから、紫外線対策に有効であるといえます。
ハーブティーは飲む日焼け止め
ハーブには抗酸化作用があるため、ハーブティーは飲む日焼け止めともいわれます。
汗をたくさんかく季節は、ハーブティーで紫外線対策と水分補給をしましょう。
ここでは、紫外線対策にとくにおすすめのハーブを4つお伝えします。
1.ローズヒップ(Rosa canina)
ローズヒップはレモンの20~40倍ものビタミンCを含んでおり、ビタミンCの爆弾とも呼ばれます。
ビタミンCには活性酸素を無毒化する抗酸化作用があるため、日差しの強い時期には積極的に摂りたい栄養素です。
また、コラーゲンの生成にも関わり美肌には欠かせません。
しかしストレスを感じると消費されてしまう栄養素でもあるため、暑さがつらい時期はローズヒップのハーブティーでビタミンCを補給しましょう。
ハーブティーにした残りの実には栄養素がたくさん残っているので、しっかり栄養素を摂り込みたい場合は実まで食べるのがおすすめです。
2.ルイボス(Aspalathus linearis)
ルイボスが生息しているのは、南アフリカのセダルバーグ山脈一帯のみ。
とても強い紫外線を浴びるため、ルイボスのもつ抗酸化力は高く、酸化を抑え、活性酸素を除去する働きがあります。
また、夏に不足しがちな鉄分やカルシウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富です。
麦茶代わりに、煮出したルイボスティーを冷蔵庫にスタンバイさせておいてもよいですね。
ルイボスには、発酵させて赤いお茶になるルイボスと、発酵させていないグリーンルイボスがあります。
発酵させる工程で栄養成分の多くが失われてしまうため、グリーンルイボスの栄養価の方が高いのですが、独特な製造方法のために生産量が少なく、ルイボスに比べ高価です。
3.ヒース(Calluna vulgaris/Erica vulgaris)
ヒースはツツジ科の、ピンク色の小さな花をつける植物で、花の部分を使用します。
紫外線対策にヒースをおすすめする理由は、アルブチンを豊富に含んでいるからです。
アルブチンにはメラニンの生成を抑える作用があり、シミやそばかす、色素沈着などを防ぎ、美白効果が期待できます。
ヒース自体には味や香りがほとんどないので、ほかのハーブとブレンドするとよいでしょう。
4.マルベリー(Morus alba)
マルベリーはクワ科の植物で、葉の部分を使用します。
マルベリーの有名な作用は、糖尿病などの生活習慣病を予防することですが、クワノンという成分によりシミやくすみの予防が期待できるため、美容にも役立つハーブです。
ハーブティーにすると緑茶のような色や香りがあります。
しかし、少し苦みがあるため、量を調整して飲みましょう。
ハーブティーの淹れ方
ハーブを選んだら、なるべく成分を多く抽出し、おいしく飲むハーブティーの淹れ方も覚えておきましょう。
次の4つのステップです。
1.ハーブ3グラムをティーポットに入れる
2.熱湯を注ぐ
3.フタをして抽出する(葉や花のハーブは3分、種子や根など硬いハーブは5分)
4.カップに注ぎ、香りと味をじっくり楽しみながら飲む
アイスティーにしたい場合は、濃いめに抽出し、氷を入れたグラスにハーブティーを注ぎます。
甘さが欲しい場合はハチミツやメープルシロップがおすすめです。
ハーブは1種類だけでもよいのですが、いくつかの種類をブレンドすることで、それぞれのハーブがもつ特徴を増強し、補い合うという相乗効果が期待できます。
自分の好みの味や、期待したい作用に重点を置いてブレンドしてみましょう。
紫外線を浴びたあとのハーブの活用法
しっかりと紫外線対策をしていても、長時間外に出ていたり日差しがとても強かったりなど、たくさん紫外線を浴びてしまうこともあるでしょう。
そこで紫外線を浴びた肌におすすめのハーブ活用法をご紹介します。
フェイシャルスチーム
フェイシャルスチームとは、ハーブを熱いお湯に入れ、有効成分が含まれた蒸気を顔に当てるものです。
ハーブの作用と、蒸気の温熱効果で血行を促すことで、肌のトラブル改善に役立てることができます。
フェイシャルスチームのやり方は次のとおりです。
1.洗面器などにハーブ(5〜10グラム)を入れ、熱湯を注いで蒸気が上がるようにする
2.頭からバスタオルをかぶって蒸気を逃がさないようにし、蒸気を顔に当てる
3.10分経ったら水で顔を洗う
注意点
・顔にスチームを当てるときは、目を閉じます。
・気管支の疾患がある人や咳が出る場合は、症状が悪化する可能性があるため、避けてください。
・敏感肌の人は5分程度にしましょう。
・気分が悪くなった場合はすぐに中止してください。
フェイスパック
フェイスパックは、ハーブの水溶性の有効成分を利用する方法です。
ハーブの抽出液を浸したコットンなどを直接肌に当てることで、有効成分を皮膚から体内に吸収させます。
強い日差しを浴びて肌がほてっている場合は、冷たいフェイスパックで肌を落ち着かせましょう。
フェイスパックのやり方は以下のとおりです。
1.ハーブティーの要領で、鍋やティーポットに細かくしたハーブと熱湯を入れる
2.5分間抽出させる
3.茶こしなどでこし、抽出液が冷めるまで待つ
4.抽出液が冷めたらコットンやフェイスパックシートに含ませて軽くしぼる
5.10分程度パックをする
注意点
・フェイスパックをする前に、必ず洗顔をしておきましょう。
・お肌に異常を感じたらすぐに使用を中止し、水で洗い流してください。
ハーブを使った入浴剤
ハーブを使った入浴剤は、「ハーバルバス」とも呼ばれ、フェイスパックと同じく水溶性の有効成分を皮膚から吸収する方法です。
ハーブの入浴剤を使ってお風呂に浸かると、温熱効果がより高まるため、血流を促し、ハーブの有効成分が全身に行き渡りやすくなります。
また、湯気とともに上がってくるハーブの香りでアロマセラピー効果が期待できるため、癒やしの時間を過ごすことができるでしょう。
ハーブの入浴剤は、ハーブをそのままバスタブに入れる方法と、ハーブの成分を抽出した液をお風呂のお湯に混ぜる方法の2つがあります。
ハーブをそのまま利用する方法
ハーブをそのままのかたちで布などに包み、お風呂に入れる方法です。
ドライハーブのほか、生のフレッシュハーブを利用してもよいでしょう。
作り方は次のとおりです。
1.ガーゼハンカチなどの布の真ん中にハーブ(20グラム)を置く
2.ハーブをふんわりと包むようにして、ハンカチの端を寄せ、ねじる
3.ねじった辺りをひもでしっかり縛る
4.お風呂に沈める
5.揉んで成分を出す
フレッシュハーブを使う場合は、ストッキングなどのうすい布の方がよく抽出できます。
ドライハーブの場合、目が粗い布だと細かいハーブが出てくることがあるので、布を2〜3重にすると安心です。
ドライハーブは香りが出てくるまでに10分程度かかることがあります。
ハーブの抽出液を利用する方法
ハーブの成分を抽出した液をつくり、お風呂のお湯に混ぜる方法です。
最初からハーブの成分がじゅうぶんに抽出された状態でお風呂に入りたい場合は、こちらの方法が適しています。
1.鍋などにハーブ(20グラム)を入れ、熱湯(1リットル)を注ぐ
2.10分以上抽出する
3.茶こしなどでこす
4.お風呂のお湯に混ぜる
ハーブの入浴剤を使用して肌に異常を感じた場合は、すぐにお湯から出て水で洗い流してください。
フェイシャルスチーム・フェイスパック・入浴剤におすすめのハーブ
紫外線を浴びてしまった肌は、肌を落ち着かせ、修復する作用のあるハーブでケアをしましょう。
ここでは、紫外線を浴びた肌に適したハーブを3つご紹介します。
1.ジャーマンカモミール(Matricaria chamomilla/Matricaria recutita)
ハーブティーとして飲むと、高いリラックス効果が期待できるジャーマンカモミールですが、フェイシャルスチームやフェイスパックなどの外用では、皮膚の炎症を抑え、鎮静させる作用があります。
また、美白作用も確認されているため、紫外線の気になる時期のケアにおすすめのハーブです。
ジャーマンカモミールはキク科の植物なので、キク科アレルギーのある人は注意してください。
2.カレンデュラ(Calendula officinalis)
カレンデュラの名前を知らなくても、キンセンカや、マリーゴールドという名前なら知っている人も多いでしょう。
カレンデュラは皮膚を修復したり、炎症を抑えたりする作用があり、古くから肌のトラブルに使われてきました。
紫外線を浴びてダメージを受けた肌は乾燥しやすく、敏感になっているため、カレンデュラでやさしく保護しましょう。
3.ラベンダー(Lavandula offinalis/Lavandula angustifolia)
ラベンダーはリラックス効果が高いことで有名ですが、皮膚の炎症を鎮め、傷ついた組織の回復を助ける作用もあります。そのため、ラベンダーは軽いやけどやニキビ、肌荒れなどにも使われてきました。
リラックスできる香りで肌のケアをする時間は、暑さでストレスが溜まる時期にホッとできるひとときになるのではないでしょうか。ラベンダーには通経作用といって月経を促す作用があるため、妊娠中は注意が必要です。
ハーブの注意点
安心、安全にハーブを使用するために、ハーブに関する注意点をまとめました。
これからお伝えすることを守り、正しく使うようにしましょう。
ハーブは「食品」と表示されているものを購入する
ハーブは、パッケージに「食品」と表示されているものや、ハーブティーとして売られているものを購入しましょう。「雑貨」と表示されているものや、ポプリやサシェとして売られているものは、ハーブティーやパックなどで使用することはできません。
また、ハーブティー専門店などの信頼できるお店で購入することも大切です。
ハーブの学名を確認して購入する
ハーブを購入する際、パッケージには学名が表示されているはずなので、きちんと確認して購入しましょう。
ハーブのかたちや名前が似ていても、学名が違えば自分の欲しい効果を得ることができません。
この記事では、ハーブの後ろに「( )」で学名を記載してありますので、購入する際に参考にしてください。
ハーブの保管は遮光・密閉・冷保存で
ハーブを保管する場合、直射日光の当たらない涼しい場所に、密閉できる容器に入れて保存します。
また、ハーブは細かくするほど多くの成分を抽出できますが、品質の劣化も早まるため、使うまではなるべく大きなかたちのまま保存するようにしましょう。
ハーブは継続することが大事
ハーブは薬と違い、すぐに効果が出るものではありません。
成分がゆっくり働きかけていくため、効果を実感するまでにはある程度時間がかかることを覚えておいてください。
ハーブティーでは一般的に、毎日飲んで3か月が目安といわれています。
なかなか効果を実感しにくいかもしれませんが、体に合わない場合を除き、続けることが大切です。
ハーブの力を利用して紫外線から肌を守ろう
ここまで、ハーブを活用した紫外線対策についてお伝えしてきました。
日焼け止めや日傘などの外側からのケアだけでなく、内側からのケアも合わせることで、紫外線対策はより効果的になります。
ハーブの力を借りて、美容の大敵である紫外線から肌を守っていきましょう。